株主の皆さま・
投資家の皆さまへ

サムコ株式会社
代表取締役会長 兼 CEO

辻 理

再び持続的成長軌道へ


株主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申しあげます。

当社第38期(平成28年8月1日~平成29年7月31日)の報告書をお届けいたしますので、ご高覧賜りますようお願い申しあげます。概況報告に先立ちまして、当期における業績が当社設立以来の赤字決算となり配当につきましても期初予想の1株当たり20円00銭から15円00銭に修正させていただくこととなり、株主の皆様には大変申し訳なく思っております。

平成29年9月8日開催の取締役会決議により、当期の赤字決算へのけじめ、また今後の赤字との決別の意思を明確にするため、全役員を対象に役職異動を実施いたしました。なお、代表取締役会長の辻 理が代表取締役会長兼社長に復帰し、黒字回復に向けて全事業を統括することといたしました。また、現代表取締役社長の石川 詞念夫が代表取締役副社長として引き続き国内営業部門を統括することといたしました。

次期第39期は全社一丸となり早期に業績の回復を図り、企業価値を高めることで皆様のご期待にお応えする所存です。株主の皆様におかれましては、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう心からお願い申しあげます。

当期(第38期)の事業環境と経営成績

当期、当社を取り巻く半導体等電子部品業界におきましては、世の中に存在する様々なモノがネットワークと繋がるIoT(Internet of Things)の進展によるデータセンター拡大に伴い、主にシリコンを材料とした半導体メモリーの需要が急増し、これに関連した設備投資が積極的に行われております。一方、当社の関わる化合物半導体及び電子部品製造装置の販売マーケットは、新たなモバイル機器や車載センサーなどの電子部品分野、あるいはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems=微小電気機械素子)といった先端分野での研究開発投資が幅広い企業で進みつつあります。

このような状況のもと、国内市場は前々期(平成27年7月期)、前期(平成28年7月期)を牽引した高輝度LED、高周波デバイス等各種電子部品への設備投資需要の減速に加え、新規の生産設備投資案件が先延ばしとなる傾向が継続し、国内売上高は2,091百万円(前期比50.9%減)となりました。海外市場では、台湾や中国ではLED設備投資の一巡による減速等により市場環境が悪化し、研究開発用途向け及び生産用途向けともに販売が低調となり、輸出販売高は1,033百万円(前期比4.8%減)となりました。

以上の結果、当事業年度における業績は、売上高が3,124百万円(前期比41.5%減)、営業損失は279百万円(前期は営業利益744百万円)となりました。また、円安の影響による為替差益57百万円(前期は為替差損170百万円)が発生したことから、経常損失は214百万円(前期は経常利益555百万円)、当期純損失は265百万円(前期は当期純利益348百万円)となりました。

中期経営計画

当社は、化合物半導体及び電子部品製造用の製造装置を主力製品とし、研究開発機市場と生産機市場それぞれで事業を展開しております。当社は、「薄膜技術で世界の産業科学に貢献する」ことを経営理念としており、研究開発型企業として成長してきた高度な技術力を維持すると同時に、その技術蓄積を生産機市場で活かすことで、事業規模の拡大を図っております。加えて、コアテクノロジーである「薄膜技術」は医療、バイオ、環境といったライフサイエンス及びエネルギー分野に活かすことが可能であり、中期的には当社の新規事業、新分野として成長させることを目指しております。

課題

1. 環境変化に対応できる強固な販売基盤を再構築する
当期は、国内のオプトエレクトロニクス分野及び電子部品分野という特定の市場、特定の顧客の設備投資需要に偏り過ぎた計画であったため、結果、当該設備投資の遅れにより大幅な売上減を招きました。今後は外部環境の変化にも柔軟に対応可能な組織体制、販売体制、製品ラインナップを整備し、黒字経営の定着化をさせた上で、再び成長軌道に乗せたいと考えております。最も重視すべき国内外での販売力の強化については、国内、台湾、中国、韓国の既存主要顧客との繋がりを維持、強化しながら、北米、欧州、インド等の新たなマーケットの確立により、売上高の拡大、当面海外売上高比率50%の達成を目指してまいります。

2. 新製品、新規事業への取り組みを加速させる
当社の属する半導体等電子部品製造装置市場は、常に技術開発の競争、顧客ニーズの多様化や高度化、グローバル化が加速しており、継続的な研究開発活動による高付加価値・高機能製品の開発、新製品の市場投入を進めることで、市場での競争力を維持し続けることが命題であります。そのためにも、現在の製品群であるCVD装置、エッチング装置、洗浄装置に次ぐ、新製品の開発や、新規事業の早期業績への寄与を目指しております。なお、当期より、新規事業(第2の事業)としては、ヘルスケア分野への進出を開始いたしました。具体的には、医療分野における滅菌装置の製造・販売、及び、新たに医療計測分野におけるヘルスケアチップの加工装置の開発・販売を計画しております。

3. 経営資源の有効活用
当期末時点において、当社の総資産は約100億円であり財務基盤は強固である一方、その資産を、売上高の拡大という当社の大命題に対して活かしきれていないのが現状であります。保有する自社施設、設備、資金、人材を活用し、売上高と同時に利益水準をさらに高めることを最優先事項として取り組んでまいります。一方で、国内外を問わず他社とのアライアンスやM&Aも常に模索しており、急な投資案件にも機動的に対応していく所存であります。

上記の課題を克服し、第39期は売上高4,500百万円、第40期は5,500百万円、第41期は6,600百万円という中期経営計画の目標達成を目指します。

第39期の見通し

当期末の受注残高は1,034百万円であり、オプトエレクトロニクス分野では通信系レーザー用途、電子部品分野では各種センサー用途等で商談が増加しております。また、実装・表面処理分野では新規投入したアクアプラズマを重点商品として販売活動を展開しており、第39期の受注高につきましては、上期2,700百万円、下期2,800百万円を計画しております。通期の売上高は4,500百万円(前期比44.0%増)、営業利益は375百万円、経常利益は365百万円、当期純利益は315百万円となる見込みであります。