ニュースリリース

2020年

2020年07月31日

公益財団法人京都産業21より新型コロナウイルス感染症対策技術開発支援として補助金の交付が決定

 当社は、公益財団法人京都産業21より新型コロナウイルス感染拡大防止に貢献する製品等の開発、量産化の取り組みを支援する『新型コロナウイルス感染症対策技術結集事業』として2,000万円の補助金の交付を受けることになりました。

 当社では、水蒸気プラズマを用いた金属の還元、材料の接合などに加え、滅菌処理の技術開発を行ってきました。すでに過酸化水素プラズマを用いた滅菌器については、海外メーカーから製品化され、販売されておりますが、水蒸気プラズマを用いた滅菌器は過酸化水素に比べて安全性の点で優れているにもかかわらず、低温(80℃前後)で安定的に滅菌処理することが困難だったため、実現されていませんでした。当社はプラズマ技術のエキスパートとしての知見を活かし、水蒸気プラズマからヒドロキシラジカル(・OH)を安定的に発生させ、低温で滅菌処理する水蒸気プラズマ滅菌器(処理装置等関連特許申請済)の実用化の見通しを得ました。

 今回の新型コロナウイルス感染症の世界的流行では、各国が医療用マスク(N95)の自国への供給を優先して輸出を制限し、国内で医療用マスクが極度に不足したことが問題になりました。このため、厚生労働省が過酸化水素プラズマ滅菌器を用いた医療用マスクの再利用のための手順を公表しましたが(令和2年4月10日付 事務連絡)、現在、国内で入手可能な過酸化水素プラズマ滅菌器はすべて海外メーカー製であり、将来、感染症による同様の世界的流行が発生した場合にプラズマ滅菌器の国内への安定的な供給に懸念があります。

 このような状況を背景に、当社は新型コロナウイルス感染症対策(特に医療用マスク等の医療資材の再利用)として新しい技術である水蒸気プラズマ滅菌器の事業化を目指し、本補助金交付を受けることになりました。年内の製品完成と発売を目指しております。当製品の開発、販売を通じて医療分野へも貢献していきたいと考えています。