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2025年

2025年03月24日

MITトマス・パラシオス教授、サムコ来訪 - マイクロエレクトロニクスの未来を拓く新技術開発へ

 去る3月19日(水)、マサチューセッツ工科大学(MIT)マイクロシステム技術研究所(MTL: Microsystems Technology Laboratories)所長、ならびに電気工学・コンピュータサイエンス分野のクラレンス・J・ルベル教授であるトマス・パラシオス博士(Dr. Tomás Palacios)がサムコを訪問され、研究開発における連携について協議しました。この度のパラシオス教授の来訪は、革新的な材料、新規デバイス構造、および先進的な製造技術を通じたマイクロエレクトロニクスの発展を探求する重要な機会となります。

MIT-Dr-Palacios-speaks-at-Samco.jpg当社にて、技術開発について講演されるトマス・パラシオス教授(Prof. Tomás Palacios)。「私の研究生活において、数多くのサムコ株式会社の製品を利用する機会に恵まれ、それらの卓越した性能に感銘を受けております。」とのご評価をいただきました。

 パラシオス教授には、「マイクロエレクトロニクスの未来を定義する極限材料とデバイス("Extreme Materials and Devices to Define the Future of Microelectronics.")」と題し、業界が直面する重要な課題について発表していただきました。その課題とは、チップ製造コストの増大、データ生成・ストレージの急激な拡大、エネルギー消費の増加などです。博士の研究は、これらの課題を軽減するための革新的な材料と製造技術の発見に焦点を当てており、非シリコン分野や化合物半導体におけるサムコの技術への期待も表明いただきました。特に、高度なエレクトロニクスおよび半導体応用において大きな可能性のある窒化ガリウム(GaN)と二硫化モリブデン(MoS2)の2つの材料を中心に研究しています。さらに、将来の電子機器における電力消費を最小限に抑えるためのエネルギー効率の高い技術開発にも取り組んでいます。

Dr-Palacios-presentation-at-Samco.jpg
 パラシオス教授は、当社の原子層エッチング(ALE)、原子層堆積(ALD)、およびアクアプラズマ(Aqua Plasma®)といったプロセス技術に関心を示し、これらの技術が次世代デバイスの実現に寄与する可能性に言及されました。また、高温処理で劣化または故障する可能性のある材料やデバイスに当社の低温プラズマCVD装置が適しており、この活用により、マイクロエレクトロニクス分野における革新の可能性が拡大すると述べられました。

 当社は化合物半導体分野の最先端企業として、MITとの連携を重視しています。今回のパラシオス教授の訪問は、両者の関係をさらに深める重要な機会であり、共同研究の可能性を検討してまいります。将来的には、ボストンへ研究者を定期的に派遣するなど、一層の連携を促進し、共に技術革新を推し進めてまいります。

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●MIT マイクロシステム技術研究所について

マイクロシステム技術研究所(MTL: Microsystems Technology Laboratories)は、マイクロ・ナノスケール技術の進展に特化した、世界的に著名な研究機関です。MTLは、マイクロエレクトロニクス、ナノテクノロジー、フォトニクス、先端材料に関する最先端の研究を支援し、学術界、産業界、政府機関の連携を促進しています。同研究所は、次世代半導体技術や革新的なデバイス応用開発に重要な役割を担っています。


<お問い合わせ>
サムコ株式会社
広報宣伝室 土橋 篤志
TEL: 075-621-7841
Mail: tsuchihashi@samco.co.jp